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経費削減とは?意味・アイデア・進め方を徹底解説

更新日:2026/06/11

経費削減とは?意味・アイデア・進め方を徹底解説イメージ

「どこから手をつければいいかわからない」「削減したいが、何を削ればいいか判断できない」。経費削減に取り組む際、このような悩みを抱える担当者は少なくありません。
経費削減は、正しい手順で進めることで、企業の利益率向上や経営の安定化につながります。一方、やり方を誤ると従業員のモチベーション低下や品質悪化を招くリスクもあります。
この記事では、経費削減の基本的な意味から、具体的なアイデア・進め方・削ってはいけない経費まで、体系的に解説します。

経費削減とは?意味と経費節減との違い

経費削減を正しく実践するには、まず基本的な意味を理解することが重要です。ここでは、経費削減の定義・経費節減との違い・取り組むメリットの3点を解説します。

  • 経費削減の定義
  • 経費節減との違い
  • 経費削減に取り組むメリット

それぞれ説明していきます。

経費削減の定義

経費削減とは、企業が業務の仕組みや手順を見直し、無駄なコストを削る取り組みのことです。

単に支出を抑えるだけでなく、業務プロセスの改善や仕組みの変更を通じて、中長期的に利益率を高めることを目的としています。コスト削減・コストカットと呼ばれることもあります。

例えば、紙の書類をデジタル化して印刷コストを削る、契約中のサービスを見直して固定費を下げるといった取り組みが、経費削減にあたります。

経費削減は一度きりの対応ではなく、継続的に見直し続けることが重要です。

経費節減との違い

経費削減と混同されやすい言葉に「経費節減」があります。どちらも費用を減らすという目的は同じですが、意味合いが異なります。

経費削減経費節減
アプローチ仕組み・業務プロセスの見直し日々の支出を節約・抑制
視点中長期的・組織的短期的・個人的
業務システムの導入、契約の見直し印刷枚数を減らす、電気をこまめに消す

経費節減は従業員一人ひとりの意識改善が中心です。一方、経費削減は組織全体の構造や仕組みを変えることで、より大きな効果を生み出します。

両者を組み合わせて取り組むことが、効果的なコスト管理につながります。

経費削減に取り組むメリット

経費削減に取り組むことで、企業にはさまざまなメリットがあります。

主なメリットは下記の3つです。

  • 利益率が向上する
  • 余剰資金を新たな投資に活用できる
  • 経営の安定性が高まる

これら3つに共通しているのは、いずれも「企業の体力を高める」という点です。

経費削減によって生まれた余剰資金は、利益として積み上げられるだけでなく、新規事業や設備投資など次の成長への原資にもなります。また、コストが適切にコントロールされている企業は、売上が落ちた局面でも経営を維持しやすく、市場変化や予期せぬリスクへの耐性が高まります。

経費削減は単なる節約ではなく、企業が持続的に成長するための経営施策です。

経費削減の対象となる3つのコスト

経費削減を進めるにあたって、まず自社のコストがどの種類に該当するかを把握することが重要です。企業のコストは大きく3つに分類できます。

  • オペレーションコスト
  • オフィスコスト
  • エネルギーコスト

それぞれ説明していきます。

オペレーションコスト

オペレーションコストとは、企業が日常的に事業を運営するために必要な経費です。

具体的には、人件費・物流費・採用費・業務委託費などが該当します。経費全体に占める割合が大きく、削減効果も高い一方で、削りすぎると業務の質や従業員のモチベーションに影響が出やすい点に注意が必要です。

業務の効率化や仕組みの見直しを通じて、慎重にアプローチすることが求められます。

オフィスコスト

オフィスコストとは、オフィス環境の維持・運営にかかる経費です。

具体的には、賃料・消耗品費・通信費・コピー機のリース料などが該当します。毎月定期的に発生する費用が多く、見直しの効果が比較的早く出やすいことが特徴です。

ペーパーレス化やリモートワークの導入など、働き方の変化に合わせて柔軟に見直しやすいコストといえます。

エネルギーコスト

エネルギーコストとは、事業運営にかかる電気代・ガス代・水道代などのインフラ費用です。

業種や規模によって金額は異なりますが、毎月継続的に発生するため、削減できれば長期的な効果が見込めます。電力会社の切り替えや省エネ設備の導入など、比較的取り組みやすい施策が多い点も特徴です。

経費削減はどこから手をつけるべきか

経費削減は、まず固定費、次に変動費の順で見直しを進めることが効果的です。あわせて、業務の無駄から生じる「隠れたムダなコスト」も見逃さないようにしましょう。

ここでは、3つの視点から優先順位の考え方を解説します。

  • 固定費
  • 変動費
  • 隠れたムダなコスト

それぞれ説明していきます。

固定費

固定費とは、売上の増減に関わらず毎月一定額が発生するコストです。

一度削減できれば効果が毎月継続して積み上がるため、最初に手をつけるべきコストです。同じ削減額でも、変動費より長期的なインパクトが大きい点が優先すべき理由です。

変動費

変動費とは、売上や業務量に応じて増減するコストです。

固定費の見直しが一段落した後に取り組みましょう。金額が一定でないため、まず過去数ヵ月分の支出データを集め、削減できる項目を特定することが先決です。

隠れたムダなコスト

隠れたムダなコストとは、業務の無駄や属人化した作業から生じる支出です。

固定費・変動費のどちらにも潜んでいる可能性があります。一つひとつの金額は小さく見えても、全社的に積み上げると大きなコストになっているケースが少なくありません。業務フローを棚卸しし、デジタル化や自動化で解消できる無駄がないかを確認しましょう。

経費削減で削ってはいけない経費

経費削減はすべてのコストを削ればよいわけではありません。削りすぎると企業の競争力や従業員の定着率に悪影響を与えるコストがあります。ここでは、削ってはいけない経費を3つ解説します。

  • サービス・製品の品質に関わるコスト
  • 従業員のモチベーションに関わるコスト
  • 人材育成・教育投資のコスト

それぞれ説明していきます。

サービス・製品の品質に関わるコスト

品質に直結するコストの削減は慎重に判断する必要があります。

例えば、原材料を安価なものに切り替えると製品の耐久性が下がる場合があります。カスタマーサポートの人員を削減すれば、顧客対応の質が落ちるケースもあります。

品質低下による顧客離れは、削減額以上の売上損失につながるリスクがある点を忘れてはいけません。

従業員のモチベーションに関わるコスト

給与・賞与・福利厚生など、働く意欲に関わるコストの削減は避けるべきです。

社員食堂の廃止や慶弔見舞金の廃止など、従業員が日常的に恩恵を受けているサービスをなくすと、職場への不満が高まりやすくなります。

優秀な人材の離職は、採用・育成コストの増加につながり、結果的にコスト増になるケースが少なくありません。

人材育成・教育投資のコスト

研修費や教育費は、将来の企業競争力を高めるための先行投資です。

新入社員研修を大幅に削減すると業務習得に時間がかかり、早期離職のリスクが高まります。資格取得支援や外部セミナーへの参加費用を廃止すると、スキルアップ意欲の高い人材ほど離職しやすくなります。

目先のコスト削減よりも長期的な視点で判断することが重要です。

経費削減アイデア一覧

ここでは、コストの種類別に経費削減の具体的なアイデアを解説します。

オペレーションコスト・オフィスコスト・エネルギーコストの3つに分けて、それぞれ取り組みやすい施策を紹介します。

オペレーションコストの削減アイデア

オペレーションコストは経費全体に占める割合が大きく、削減効果も高いコストです。

下記の4つのアイデアを解説します。

  • 業務効率化・標準化
  • アウトソーシングの活用
  • 採用コストの見直し
  • 出張費・交際費の削減

業務効率化・標準化

業務手順をマニュアル化し、誰が担当しても同じ成果が出せる環境を整えることで、作業時間の無駄を減らせます。

例えば、請求書処理や経費精算などの定型業務をシステム化することで、担当者の作業時間を大幅に短縮できます。削減できた時間をコア業務に充てることで、生産性の向上にもつながります。

アウトソーシングの活用

社内で対応している業務の一部を外部に委託することで、人件費の削減が期待できます。

経理・人事労務・カスタマーサポートなど、専門性が求められる業務はアウトソーシングに適しています。自社で人材を採用・育成するコストと外部委託のコストを比較し、委託のほうが安く済む場合は積極的に活用しましょう。

採用コストの見直し

求人媒体への掲載費用は高額になりやすく、見直し効果が大きい項目です。

自社の採用ページの充実や、社員が知人を紹介するリファラル採用の導入は、掲載費用を抑えながら採用活動を続けられる方法として有効です。また、採用後の早期離職を防ぐことも、採用コストの削減につながります。

出張費・交際費の削減

出張費・交際費は、ルールを明確にするだけで削減効果が出やすい項目です。

出張については、オンライン会議で代替できる場合は積極的に活用しましょう。交際費については、上限金額や用途のルールを社内で明文化することで、不必要な支出を抑制できます。

オフィスコストの削減アイデア

オフィスコストは、働き方の見直しやデジタル化によって比較的取り組みやすい項目が多いコストです。下記の4つのアイデアを解説します。

  • ペーパーレス化の推進
  • 通信費の見直し
  • 消耗品費の削減
  • オフィス賃料・レイアウトの見直し

ペーパーレス化の推進

紙の書類をデジタルデータに置き換えることで、印刷費・用紙代・保管スペースのコストを削減できます。

例えば、社内会議の資料配布をやめてペーパーレス化する、契約書を電子契約に切り替えるといった取り組みが有効です。印紙税の削減にもつながるため、契約件数が多い企業ほど効果が大きくなります。

通信費の見直し

インターネット回線や固定電話・携帯電話の契約内容を見直すことで、毎月の通信費を抑えられます。

現在の利用状況に対してプランが過剰になっていないかを確認しましょう。固定電話をIP電話に切り替えることで、通話料を大幅に削減できるケースもあります。複数の回線契約をまとめることも、コスト削減につながります。

消耗品費の削減

ボールペン・コピー用紙・インクなどの消耗品は、購入方法を見直すだけでコストを抑えられます。

インターネットでのまとめ買いや、品目を必要最低限に絞ることが有効です。また、カラー印刷をモノクロに統一するなど、使用ルールを社内で明文化することで、無駄な消費を抑制できます。

オフィス賃料・レイアウトの見直し

オフィスの賃料は固定費の中でも金額が大きく、削減効果が高い項目です。

リモートワークの導入により出社人数が減った場合は、オフィスの縮小や移転を検討しましょう。フリーアドレス制の導入によってスペースを効率的に活用することで、より小さなオフィスへの移転が可能になるケースもあります。

エネルギーコストの削減アイデア

エネルギーコストは毎月継続して発生するため、削減できれば長期的な効果が見込めるコストです。

下記の3つのアイデアを解説します。

  • 電力会社の切り替え
  • 省エネ設備への交換
  • 社内の節電意識の徹底

電力会社の切り替え

2016年の電力自由化以降、企業は電力会社を自由に選択できるようになりました。

現在契約している電力会社のプランを見直し、より安価なプランや電力会社に切り替えることで、毎月の電気代を削減できます。初期費用がかからないケースも多く、比較的取り組みやすい施策です。

契約切り替えを検討する際は、複数の事業者の料金プランを比較したうえで判断しましょう。

省エネ設備への交換

既存の設備を省エネ性能の高いものに交換することで、エネルギーコストの削減が期待できます。

例えば、蛍光灯をLED照明に切り替えると消費電力を大幅に抑えられます。空調設備を省エネ型に更新することも有効です。

初期費用はかかりますが、国や自治体の補助金制度を活用することで導入コストを抑えられる場合があります。

社内の節電意識の徹底

設備投資をしなくても、従業員の意識改善だけでエネルギーコストを抑えられます。

使用していない部屋の照明や空調をこまめに消す、パソコンの省電力設定を統一するといった取り組みは、費用をかけずにすぐ実行できます。削減目標を数値で社内共有し、達成状況を定期的に報告することで、継続的な節電意識の醸成につながります。なお、この取り組みは仕組みの見直しではなく日々の行動改善が中心となるため、厳密には経費節減にあたります。

経費削減の進め方

経費削減は闇雲に取り組んでも効果は出ません。正しい手順で進めることが、成果につながる近道です。

ここでは、経費削減を効果的に進めるための4つのステップを解説します。

  • STEP1:現状把握と目標設定
  • STEP2:削減対象の選定と優先順位づけ
  • STEP3:社内周知と合意形成
  • STEP4:効果検証とPDCA

それぞれ説明していきます。

STEP1:現状把握と目標設定

まず、自社でどのような経費がどれだけ発生しているかを正確に把握することから始めましょう。

過去1年分の支出データを費目ごとに整理し、金額の大きい項目や増加傾向にある項目を洗い出します。現状を把握したうえで、「半年以内にオフィスコストを10%削減する」など、期限と数値を明確にした目標を設定しましょう。

目標が曖昧なままでは、取り組みの優先順位が定まらず、効果測定もできません。

STEP2:削減対象の選定と優先順位づけ

現状把握で洗い出した項目をもとに、削減対象を選定し優先順位をつけます。

優先すべきは、削減効果が大きく、実行しやすい施策です。効果は大きいが実行に時間がかかる施策は中長期的な計画として位置づけ、段階的に進めましょう。

一度に多くの施策に着手すると、効果検証が難しくなるため、取り組む施策を絞ることが重要です。

STEP3:社内周知と合意形成

削減計画が固まったら、目的・対象・目標数値を全社員に周知します。

経費削減は現場で働く従業員の協力なしには効果が出ません。「なぜ取り組むのか」「何をどれだけ削減するのか」を丁寧に説明し、理解と納得を得ることが重要です。

部署ごとに担当者を決め、責任の所在を明確にすることで、取り組みが掛け声だけで終わるリスクを防げます。

STEP4:効果検証とPDCA

削減施策を実行したら、定期的に効果を検証しましょう。

目標に対する達成度を数値で確認し、効果が出ていない施策は原因を特定して改善します。経費削減は一度実施して終わりではなく、PDCAサイクルを継続的に回すことで、長期的な成果につながります。

検証結果は社内で共有し、成果の出た施策を横展開することも有効です。

経費削減の成功事例

経費削減の取り組み方は企業によってさまざまです。

ここでは、中小企業庁(ミラサポplus)に掲載されている事例をもとに、実際の取り組みを紹介します。

コストの「見える化」で従業員の意識が変わった印刷会社(和歌山県)

スクリーン印刷を得意とする和歌山県の印刷会社は、毎月の販売実績だけでなく、変動費・固定費・固定費率の推移を生産品目と関連づけて従業員に公開しました。収益とコストを見える化したことで、従業員から収益改善のアイデアが活発に出るようになったといいます。

出典:ミラサポplus|事例から学ぶ!「コスト削減」

多様な働き方の導入で採用コストを削減した企業(東京都)

東京都の体験ギフトを企画販売する会社は、リモートワーク・副業・時短勤務・週4日勤務など、従業員の事情に合わせた柔軟な働き方を整備しました。優秀な人材の定着率が上がり、採用コストの削減につながっています。リモートワークの推進は、交通費やオフィス賃料の削減にも貢献しました。

出典:ミラサポplus|事例から学ぶ!「コスト削減」

経費削減に関するよくある疑問

経費削減に取り組む際に、よく寄せられる疑問をまとめました。

それぞれ簡潔に回答します。

中小企業でも取り組めますか?

取り組めます。むしろ中小企業こそ、消耗品の見直しや通信費の契約変更など、小さな施策から始めやすく、効果を実感しやすい規模といえます。

効果が出るまでどのくらいかかりますか?

施策によって異なります。通信費の契約変更や消耗品の見直しは比較的早く効果が出る一方、オフィス移転や業務システムの導入など大きな施策は数ヵ月〜1年以上かかるケースもあります。

社内通知メールの例文はありますか?

下記を参考にしてください。

件名:経費削減の取り組みについて

お疲れ様です。〇〇部の△△です。このたび、会社全体の利益率向上を目的として、経費削減に取り組むことになりました。つきましては、各部署において下記の項目について見直しをお願いいたします。

  • 不要な印刷の削減
  • 備品の適切な使用と在庫管理の徹底
  • 不要なサブスクリプションサービスの解約申請

ご不明な点は〇〇までご連絡ください。ご協力のほど何卒よろしくお願いいたします。

ビジネスでの言い換え表現は?

「コスト削減」「コストカット」「コストダウン」「経費節減」などが一般的に使われます。いずれも費用を抑えるという意味合いで用いられますが、厳密な意味は異なります。

まとめ|経費削減を継続して企業の利益率を高めよう

経費削減は、一度取り組んで終わりではなく、PDCAサイクルを回しながら継続的に改善していくことが重要です。固定費の見直しから着手し、削減効果を積み上げていくことが、企業の利益率向上につながります。

まずは自社の経費を棚卸しすることから始めてみましょう。小さな取り組みの積み重ねが、長期的に大きな成果をもたらします。

なお、出張が多い企業には、株主優待券や割引チケットの活用も交通費削減の手段として有効です。チケッティでは、交通系をはじめとするさまざまな金券を取り扱っています。

ぜひ一度、取り扱いチケットをご確認ください。